暗号資産を安全に管理するには、利用者の目的に応じた適切なウォレット選びが欠かせません。

しかし暗号資産のウォレットは種類が多いため「どれを選べばいいのかわからない」と感じる初心者の方も多いでしょう。

本記事では、暗号資産ウォレットの基本的な役割や仕組みをわかりやすく解説します。

初めてでも使いやすいウォレットサービスを探すのに役立ててください。

暗号資産ウォレットを使うのに必要な基本知識まとめ|仕組みや役割も紹介

暗号資産ウォレットを使うには、次の3つのポイントを重点的に押さえておく必要があります。

  • 公開鍵(アドレス)と秘密鍵(暗号)の関係
  • 「Not your keys, not your coins」の意味
  • シードフレーズ(リカバリーフレーズ)の重要性

単語ごとの意味もチェックし、暗号資産ウォレットを使う前に「知らないとまずい」基礎知識として頭に入れておきましょう。

公開鍵(アドレス)と秘密鍵(暗号)の関係

暗号資産ウォレットを理解するうえで最初に押さえておきたいのが、公開鍵(アドレス)と秘密鍵の関係です。

公開鍵は暗号資産の「受け取り口座番号」のような存在で、相手に教えても問題ありません。

一方で、秘密鍵は資産を動かすための署名用パスワードにあたる「誰にも教えてはいけない情報」です。

送金や取引の最終承認は必ず秘密鍵で行われるため、他人に知られると資産を自由に操作されてしまいます。

ウォレットとは実際に暗号資産を保管しているのではなく「秘密鍵を安全に管理するための仕組みである点」を理解しておきましょう。

「Not your keys, not your coins」の意味

「Not your keys, not your coins」とは「秘密鍵を持っていなければ、その暗号資産は本当の意味で自分のものではない」という考え方を表す言葉です。

取引所に暗号資産を預けている場合、実際の秘密鍵は取引所側によって管理されています。

下記の状況が発生した場合、自分の意思で資産を動かせないリスクがあります。

  • ハッキング
  • サービス停止
  • 出金制限など

ウォレットを使って秘密鍵を自分で管理すれば、第三者に依存せず暗号資産を保有できます。

自己責任が前提となる暗号資産の世界において、この言葉は非常に重要な概念です。

シードフレーズ(リカバリーフレーズ)の重要性

シードフレーズ(リカバリーフレーズ)とは、ウォレットを復元するために必要な12〜24個の英単語の並びです。

たとえスマホが故障したり、アプリが削除されたりしても、シードフレーズがあれば同じウォレットを復元できます。

逆に言えば、シードフレーズを失うとウォレット内の暗号資産には二度とアクセスできなくなるということです。

さらにシードフレーズを第三者に知られると、秘密鍵と同等の権限が他人に渡ってしまいます。

メインで使っているクレジットカードと相性番号が他人に曝け出されてしまうようなイメージです。

シードフレーズはスクリーンショットやクラウドで保存せず、紙に書いて安全な場所に保管しておきましょう。

暗号資産ウォレットにはホットウォレットとコールドウォレットの2タイプがある

暗号資産ウォレットには、ホットウォレットとコールドウォレットの2タイプがあります。

両者の違いやおすすめな人の特徴を紹介しますので「どちらが使いやすそうか」をイメージしましょう。

ホットウォレット(オンライン管理)

ホットウォレットは、インターネットに接続した状態で利用する暗号資産ウォレットです。

スマホアプリやブラウザ拡張機能として提供されるサービスが多く、送金や取引をすぐに行えます。

下記などの外部サービスと連携しやすいため、日常的に暗号資産関連のサービスを使う人に向いています。

  • DeFi(ディファイ)
  • NFTマーケット
  • ブロックチェーンゲームなど

一方で常にオンライン環境にあるため、ハッキングやフィッシング詐欺のリスクがゼロではありません。

少額での暗号資産投資や、数を重ねる取引(スキャルピング)をしたい人におすすめのウォレットタイプです。

コールドウォレット(オフライン管理)

コールドウォレットとは、インターネットをオフライン(切り離した)状態で暗号資産を管理するウォレットです。

代表的なものにハードウェアウォレットがあり、秘密鍵をデバイス内に保存することで外部からの不正アクセスを防げます。

インターネット経由でのサイバー攻撃を受けないため、セキュリティ面では最も安全性が高い管理方法です。

その反面、送金時にはデバイス接続などの手間がかかるため、日常的な取引には不向きともいえます。

長期保有や高額資産を守りたい人に適したウォレットタイプといえるでしょう。

【2025年最新】初心者におすすめの暗号資産ウォレットサービス6選

初心者にもおすすめな暗号資産ウォレットサービスを6つ厳選してご紹介します。

  • MetaMask(メタマスク)
  • Trust Wallet(トラストウォレット)
  • Phantom(ファントム)
  • BlueWallet(ブルーウォレット)
  • Ledger(レジャー)
  • Trezor(トレザー)

それぞれ独自の強みやおすすめな人の特徴にも目をとおし、気になるサービスの公式サイトを覗いてみましょう。

MetaMask(メタマスク):Web3の標準ウォレット

画像引用:https://metamask.io/ja

MetaMaskは、Web3の標準的なウォレットとして最も広く利用されているサービスの一つです。

ブラウザ拡張機能やスマホアプリに対応しており、インストール後すぐに利用を開始できます。

EthereumやEVM互換チェーンに対応しており、下記サービスとの連携もスムーズに行えます。

  • DeFi
  • NFTマーケット
  • ブロックチェーンゲームなど

秘密鍵を自分で管理する非カストディアル型サービスのため、資産を完全に自己管理したい人にも向いています。

利用者数も世界トップクラスのMetaMaskは、初心者から上級者まで幅広くおすすめできる王道のウォレットです。

Trust Wallet:多種多様な銘柄をまとめて管理できる

画像引用:https://trustwallet.com/ja

Trust Walletは、対応銘柄の多さに強みを持つマルチチェーン対応の人気ウォレットです。

65以上のブロックチェーンに対応しており、ビットコイン・イーサリアムをはじめ多数のトークンやNFTを一括管理できます。

ステーキング機能やDAppブラウザ機能を備えており、スマホ1台で「保管・運用・接続」まで完結できる使い勝手の良さが魅力です。

操作画面も直感的に操作しやすく、初心者にも扱いやすい作りとなっています。

「とにかくたくさんの暗号資産をまとめて管理したい」「スマホ中心で使いたい」と考える方におすすめなウォレットです。

Phantom:ソラナ(SOL)とマルチチェーン対応に強い

画像引用:https://phantom.com

Phantomは、ソラナ(SOL)チェーンに強いウォレットとして急速に人気を高めたサービスです。

現在はEthereumやPolygonなどにも対応しており、マルチチェーンで利用できる汎用ウォレットとして活躍しています。

NFT表示が見やすく、DApp接続もワンクリックで行えるため、SolanaのNFTやDeFiを利用したい人にもおすすめです。

秘密鍵を自分で管理する非カストディアル型のサービスなので、中央管理に頼らず資産を持ちたい人にも向いているといえます。

BlueWallet:ビットコイン専用のシンプルな設計

画像引用:https://bluewallet.io

BlueWalletはビットコイン専用ウォレットとして設計されたシンプルなサービスです。

複雑な機能は一切なく、ビットコインに関する次の3つの機能を中心に使いたい人に向いています。

  • 送る
  • 受け取る
  • 保管する

小額決済や高速送金を活用したい人にも向いているほか、下記など上級者向けの機能も搭載されています。

  • 複数ウォレットの作成
  • 閲覧専用モード(Watch-only)の活用
  • マルチシグへの対応など

ビットコインだけを安全に管理したい人や、初めての暗号資産としてビットコインを保有したい初心者におすすめなウォレットです。

Ledger:世界シェアNo.1のハードウェアウォレット

画像引用:https://www.ledger.com/ja

Ledgerは、2025年12月時点で世界中で最も利用者が多いハードウェアウォレットの一つです。

専用デバイスに秘密鍵を保存後、オフラインで管理するため、オンライン攻撃から資産を守りやすい仕組みとなっています。

専用アプリ「Ledger Live」を使うと、暗号資産の送金からステーキングまでの流れを一貫して行うことが可能です。

暗号資産の長期保有・高額保有を考えている人や、取引所に自分の資産を置きっぱなしにするのが不安な人にも向いています。

初期設定手順もガイドが充実しており、ハードウェアウォレット初心者でも導入しやすいサービスです。

Trezor:高い透明性を誇るオープンソースの先駆け

画像引用:https://trezor.io/ja

Trezorは、世界初のハードウェアウォレットとして知られる老舗のサービスです。

オープンソースで開発されており、ソースコードが世界中に公開されています。

秘密鍵を完全オフラインで管理できるため、セキュリティ重視のユーザーにもおすすめです。

対応通貨も幅広く、専用サービス「Trezor Suite」を利用すると資産管理や送金もスムーズに行えます。

操作も完結でわかりやすいため、初めてハードウェアウォレットを扱う人にもおすすめです。

失敗しない!自分に合った暗号資産ウォレットの選び方

暗号資産ウォレット選びで失敗しないためには、次の2つのポイントを知っておく必要があります。

  • 利用目的に合わせて銘柄を選ぶ
  • 日本語対応とサポート体制を確認する

それぞれ知っておくべき理由にも目をとおし、暗号資産ウォレット選びで損をしないための事前知識を押さえましょう。

利用目的に合わせて銘柄を選ぶ(NFT・DeFi・長期保有)

暗号資産ウォレットは、自分の利用目的に合ったものを選ぶのが重要です。

サービスごとに対応しているチェーンやトークンが異なるため、下記など目的別に応じて適切なウォレットを選ぶ必要があります。

  • ビットコインだけを長期保有したい
  • イーサリアムやNFTを扱いたいのか
  • 暗号資産をDeFiで運用したい

特に複数通貨をまとめて管理したい場合は、マルチチェーン対応ウォレットを選ぶのがおすすめです。

目的を満たせないウォレットを選んでしまうと「送金できない」「対応していない」などのトラブルにつながりかねません。

まずは「自分が暗号資産で何をしたいか」を明確にし、ウォレット選びの指標を作りましょう。

日本語対応とサポート体制を確認する

暗号資産ウォレットは海外発のサービスが多く、日本語対応していないケースも少なくありません。

英語に不慣れな方の場合、選ぶサービス次第で操作ミスや設定の見落としが起きやすくなってしまいます。

言語面のトラブルを防ぎたい方は、アカウント登録前に必ず次の3点を確認しましょう。

  • 公式サイトやアプリが日本語に対応しているか
  • 日本から繋がるヘルプセンターや問い合わせ窓口があるか
  • トラブル発生時にサポートが受けられるか

「もしもの時に使いやすい言語環境かどうか」を基準に加えることで、初心者でも無理なく運用しやすいウォレットを選びやすくなります。

【重要】暗号資産ウォレットを安全に使うための鉄則

暗号資産ウォレットを安全に使いたい方は、次の2つのポイントを遵守してください。

  • シードフレーズは絶対に他人に漏らさない
  • バックアップはデジタルではなく「物理的に」残す

思わぬ落とし穴や具体的な対策方法にも目をとおし、トラブルを事前に防ぐための準備に役立てましょう。

シードフレーズは絶対に他人に教えたり入力したりしない

シードフレーズはウォレットを復元するために欠かせない最も重要な情報であり、知られると暗号資産をすべて盗まれるリスクが高まります。

正規の暗号資産ウォレットサービスでは、運営側が利用者にシードフレーズを聞くことは絶対にありません。

しかし、サポートを装った偽サイトやSNSのDMでシードフレーズの入力を求められるケースがあります。

ここでシードフレーズを入力してしまうと、取り消しやアカウントの凍結ができなくなり、今後起こりうる被害を防ぐこともできません。

「シードフレーズ=資産そのもの」という意識を持ち、家族や友人も含めて誰にも教えないこと、オンラインフォームには絶対に入力しないことを徹底しましょう。

バックアップはデジタルではなく「物理的に」残す

シードフレーズや秘密鍵のバックアップを、スクリーンショットやクラウド保存で残すのは非常に危険です。

万が一下記の状況が発生すると、第三者から保有している資産の種類・金額が「丸見え」になってしまいます。

  • スマホの紛失
  • デバイスのハッキング
  • クラウド経由での情報流出など

シードフレーズの紛失・流出を防ぐためには、紙に書き写す、金属プレートに刻印するなど「オフラインでの物理保管」が欠かせません。

耐火金庫や貸金庫など、災害対策も意識した保管場所を選ぶのもおすすめです。

物理保管は少し手間がかかるものの、資産を守る最後の砦として絶対に用意しましょう。

暗号資産ウォレットに関してよくある質問(FAQ)

最後に、暗号資産ウォレットに関してよくある下記の質問へ回答します。

スマホを紛失したら暗号資産はすべてなくなる?

たとえスマホを紛失しても、暗号資産そのものが消えるわけではありません。

暗号資産はスマホの中に保存されているのではなく、ブロックチェーン上に記録されています。

暗号資産のウォレットは、あくまで資産にアクセスするための「鍵」を管理しているだけです。

シードフレーズ(リカバリーフレーズ)が手元にあれば、新しいスマホや別端末にウォレットを復元できます。

逆に言うと、シードフレーズがなければ復元は不可能になります。

暗号資産のウォレットへアクセスするための唯一の道筋を潰さないためにも、シードフレーズの管理を徹底しましょう。

暗号資産ウォレット自体の利用料金がかかることはある?

多くの暗号資産ウォレットは、アプリのインストールや基本利用自体に料金がかかりません。

特に初心者にもおすすめなMetaMaskやTrust Walletなど、多くのホットウォレットは無料で利用できます。

ただし、暗号資産を送金する際にはネットワーク手数料(ガス代)が発生します。

ネットワーク手数料(ガス代)は、ブロックチェーンに取引を記録するためのコストです。

またハードウェアウォレットなどのコールドウォレットを導入する場合、初期費用としてデバイスの購入費がかかります。

「ウォレット自体の利用料は基本無料だが、送金などの操作で手数料が発生する」というイメージを持っておきましょう。

取引所のウォレットだけ準備しても暗号資産の取引はできない?

取引所のウォレットだけでも、暗号資産の売買や保有は問題なく行えます。

日本国内における多くのユーザーは、まず取引所に口座を開設し、そのウォレットに暗号資産を保管するケースが一般的です。

ただし、この場合は秘密鍵を取引所が管理している状態となり、サービス停止やハッキングなど外部要因の影響を受けるリスクが高まります。

暗号資産の長期保有や高額の取引を行いたい場合、個人ウォレットの活用がおすすめです。

まとめ:自分専用のウォレットで暗号資産を賢く管理しよう

暗号資産を安全に管理するためには、自分に合ったウォレット選びが欠かせません。

取引頻度が多い方は操作しやすいホットウォレット、資産の長期保有や高額資産の管理をしたい方はコールドウォレットを選ぶなど、目的に応じて使い分けるのが大切です。

シードフレーズの重要性を理解しつつ、基本的なセキュリティ対策を徹底することで、思わぬトラブルを未然に防げます。

本記事で紹介したポイントを参考に、自分にとって最も使いやすそうなサービスを選んでウォレットを準備しましょう。