DeFi(分散型金融)に興味を持ち、「銀行よりも高い利回りを得たい」「自由な資産運用がしたい」と考えたとき、最初に触れるべきなのが「Aave(アーベ)」です。

Aaveは、DeFiレンディング市場において圧倒的な預かり資産額(TVL)を誇る、業界のスタンダードです。Aaveの使い方は、他の多くのレンディングプロトコル(Compound、Sparkなど)と共通しています。つまり、Aaveをマスターすることは、DeFi全体を使いこなすためのパスポートを手に入れることと同義です。

この記事では、Aaveの基本的な使い方から、資産を守るための命綱である「Health Factor(ヘルスファクター)」の見方までを、実際の画面を想定しながら丁寧に解説します。

1. 準備編:Aaveを使うために必要なもの

Aaveは銀行のように口座開設の申し込みや本人確認書類の提出は不要です。以下の2つがあれば、今すぐに利用開始できます。

  • ウォレット(MetaMaskなど):ブラウザやスマホで管理する自分のお財布
  • ガス代(手数料)用の仮想通貨:利用するネットワークに応じたコイン(イーサリアムならETH、ポリゴンならMATIC/POLなど)

特に初心者は、ガス代(取引手数料)が安い「Polygon(ポリゴン)」や「Arbitrum(アービトラム)」などのネットワークでAaveを利用することをおすすめします。イーサリアム・メインネットはガス代が高騰しやすいため、少額運用には向きません。

2. 実践編:資産を「貸す(Supply)」手順

まずは、手持ちの暗号資産をAaveに預けて、利息をもらう手順です。

  1. Aaveの公式サイトにアクセスし、「Launch App」をクリックします。
  2. 画面右上の「Connect Wallet」を押し、自分のMetaMaskを接続します。
  3. 画面左上の「Dashboard」または「Markets」から、預けたい資産(例:USDC、ETHなど)を探し、「Supply」ボタンを押します。
  4. 預けたい数量を入力します。
  5. 「Approve(承認)」を押してウォレットで署名し、その後に「Supply(預入)」を押して再度署名します。

これで完了です。預け入れた瞬間から、ブロックごとに利息が発生し始めます。預けた証明として「aToken(例:aUSDC)」がウォレットに付与されます。

3. 実践編:資産を「借りる(Borrow)」手順

次に、預けた資産を担保にして、別の資産を借りる手順です。

  1. Dashboard画面の「Assets to borrow(借りられる資産)」リストを見ます。
  2. 借りたい通貨の「Borrow」ボタンを押します。
  3. 借りたい数量を入力します。
  4. 金利タイプを確認し(現在は変動金利が主流)、「Borrow」を押してウォレットで承認します。

これで、担保資産を売却することなく、別の資産を手に入れることができました。

4. 最重要:命綱となる「Health Factor」とは?

Aave Health Factor 見方

借り入れを行う際に、絶対に目を離してはいけない数値があります。それが「Health Factor(ヘルスファクター)」です。

Health Factorの仕組み

Health Factorとは、あなたのポジション(貸借状態)の「安全性」を数値化したものです。

  • Health Factor > 1.0 : 安全(返済能力が十分ある)
  • Health Factor < 1.0 : 危険(担保不足により清算される)

この数値が「1.0」を下回った瞬間、預けていた担保資産が強制的に売却され、借金の返済に充てられます。これを「清算(Liquidation)」と呼びます。

1.0を下回る原因

Health Factorは以下の2つの理由で下がります。

  • 担保にしている資産の価格が下落した
  • 借りている資産の価格が上昇した、または利息が積み重なった

安全圏の目安は?

  • 2.0以上:かなり安全
  • 1.5付近:注意が必要
  • 1.1以下:非常に危険

5. リスク管理:清算されないために

Aaveで失敗しないための鉄則はただ一つ、「清算させないこと」です。そのためにできる対策は3つあります。

  • 担保を多めに入れる
  • ステーブルコインを借りる
  • こまめに管理画面をチェックする

まとめ:Aaveは「銀行」をあなたの手元に持ってくる

Aaveを使いこなせば、誰の許可も得ずに、自分の資産を担保に資金調達をしたり、空いている資産で金利を稼いだりすることができます。

操作自体はシンプルですが、Health Factorの管理だけは投資家の責任です。「1.0を下回ったらゲームオーバー」というルールを肝に銘じ、まずは少額から、安全な数値(2.0以上)でDeFiの世界を体験してみてください。