エンタープライズ向けブロックチェーンソリューションのリーダーであるRipple(リップル)社は9日、同社のデジタル資産保管プラットフォーム「Ripple Custody」の機能を大幅に拡張する複数の戦略的提携を発表した。

今回のアップデートにより、規制対象となる金融機関やカストディアンは、最高水準のセキュリティとコンプライアンスを維持しながら、ステーキングによる収益化や高度な鍵管理をより迅速かつ低コストで導入可能になる。

1. 「Figment」との提携で機関級ステーキングを実現

リップル社は、世界最大級の非カストディアル・ステーキングプロバイダーであるFigment(フィグメント)と提携した。

これにより、Ripple Custodyを利用する銀行や企業は、自社で複雑なバリデーターインフラを構築・運用することなく、イーサリアム(ETH)やソラナ(SOL)などの主要なプルーフ・オブ・ステーク(PoS)ネットワークでのステーキングを顧客に提供できるようになる。運用の管理権限を損なうことなく、コンプライアンスを遵守した形での利回り創出が可能になった点は、機関投資家にとって大きな転換点となる。

2. 「Securosys」のHSM統合によるセキュリティの進化

セキュリティ面では、スイスのサイバーセキュリティ企業Securosys(セキュロシス)との提携により、高度なハードウェア・セキュリティ・モジュール(HSM)機能が統合された。

「CyberVault HSM」および「CloudHSM」の導入により、機関投資家はオンプレミス(自社設置)またはクラウド環境の両方で、暗号鍵の生成・保存・管理を極めて安全に行える。特筆すべきは、従来のHSM導入に伴う膨大なコストや調達の遅延、運用の複雑さが解消され、カストディサービスの「Time-to-Market(市場投入までの期間)」が大幅に短縮されたことだ。

3. コンプライアンスと将来性

今回の機能拡張は、先日発表されたChainalysisとのコンプライアンス統合や、フィンテック向けウォレット企業Palisadeの買収に続く、リップル社のインフラ強化策の一環だ。

リップル社の製品責任者、アーロン・スレッテハウグ氏は「最高クラスのセキュリティ、コンプライアンス、そしてステーキング機能を統合することで、技術スタック管理の摩擦を取り除き、お客様が自信を持ってスケールできる環境を整えた」と自信をのぞかせている。

伝統的な金融機関がデジタル資産市場へ本格参入する中、リップル社は支払いや財務管理だけでなく、カストディを核とした包括的な「機関向けデジタル資産インフラ」としての地位をより盤石なものにしている。

出典

https://www.businesswire.com/news/home/20260209282610/en/Ripple-Accelerates-Institutional-Custody-Adoption-with-Security-Compliance-and-Staking-Capabilities