Binanceは、Binance Wallet内で「Prediction Markets(予測市場)」機能を提供していることをFAQで案内した。公開されたサポート文書によると、ユーザーはBinanceアプリのExchangeビューからPrediction Marketsへアクセスでき、将来の出来事に対して「YES」「NO」のポジションを取れる。記事公開日は2026年3月31日となっている。

予測市場はBinance本体ではなく外部プロバイダーを集約

FAQによれば、Prediction MarketsはBinance自身がイベントを作成・運営する仕組みではなく、第三者プロバイダーの市場を集約する形で提供される。現時点の主要プロバイダーは、BNB Smart Chain上の分散型予測市場プロトコル「Predict.fun」とされている。Binanceは、Prediction MarketsをBinance Wallet内に統合し、ユーザーがシームレスに使えるようにしている一方で、Binance ADGM entities自体はPrediction Marketsサービスの提供主体ではないと明記している。

アプリ最新版で利用可能、地域制限あり

利用にはBinanceアプリの最新版が必要で、iOSは3.11.1以上、Androidは3.11.2以上が条件とされる。該当バージョンに更新すると、ExchangeビューのMarketsページ上部に「Prediction」が表示される。ただし、FAQではPrediction Marketsが一部の国・地域では利用できない場合があるとも案内している。

専用の「Prediction Account」を使う設計

Prediction Marketsを利用するには、通常のSpot口座やFunding口座とは別に、「Prediction Account」を作成する必要がある。FAQによると、このPrediction AccountはBinance WalletのKeyless technologyで動作する専用アカウントで、初回注文時にセットアップガイドが表示され、そのまま安全なKeyless Walletが自動生成・連携される。手動でウォレットを作る必要はないという。

取引はUSDT建て、成行と指値に対応

取引方法としては、イベントを選択し、予測したい結果を選んだ上で、成行注文または指値注文を出す流れである。FAQでは、注文時に利用できる資金はUSDTのみとされている。また、デフォルトではSpot口座またはFunding口座の残高が使われるが、Prediction Accountへ資金を移してそちらを使うことも可能だ。資金移動はAssets内のPredictionから行い、即時反映されるとしている。

価格は確率を表し、勝てば1株1ドルで償還

Prediction Marketsでは、YESとNOの各シェア価格が0.01ドルから0.99ドルの間で推移し、その価格が市場参加者の見込む発生確率を表す。FAQの説明では、たとえばYES株が0.72ドルなら、その事象が起こる確率を市場が72%と見ていることを意味する。最終的に市場が解決されると、正しい側のシェアは1株あたり1ドルで償還され、負けた側は価値を失う。

イベント作成と決着判定はプロバイダー側が担当

Binanceは、イベントの新規作成や管理も自社では行わないと説明している。FAQによれば、イベントは現在はPredict.funが、検証可能性、公共性、データソースの信頼性をもとに作成している。決着についても、Predict.funの分散型オンチェーンオラクルシステムを通じて行われ、イベント終了後に決着案が提出され、異議がなければ自動的に確定し、争いがあれば仲裁プロセスへ進む。

手数料はリアルタイム表示、Binanceが直接徴収する形ではない

取引手数料については、注文確認画面でリアルタイム表示される。FAQでは、これらはベンダー手数料を反映したものであり、詳細はプロバイダーの手数料文書を参照するよう案内している。また、手数料はBinanceが直接徴収するものではないとも明記されている。

Binaceはアクセス導線を提供、プロバイダー報酬は対象外

FAQでは、ユーザーインセンティブについても線引きが示されている。Predict.fun側に紹介報酬やポイント制度などが存在しても、Binance経由のPrediction Marketsではそれらの報酬や特典は提供しない。Binanceの役割は、あくまでPrediction Marketsへのアクセスを容易にすることだとしている。

今回の動きが意味するもの

今回のFAQ公開は、Binanceが予測市場を自社の取引導線の一部として本格的に組み込み始めたことを示している。一方で、イベント作成、決着、手数料体系、サービス提供主体は第三者に委ねられており、BinanceはウォレットとUIの入口を担う立場を強調している。つまり、Binance Walletは単なる保管ツールではなく、外部のオンチェーンサービスへ接続するゲートウェイとしての性格をさらに強めているといえそうだ。

出典

https://www.binance.com/en/support/faq/detail/cfdb4d8b27b545119e66f68c54ef04ec