SpaceXが米証券当局に新規株式公開(IPO)のための非公開申請を行ったと、CNBCを含む複数の主要メディアが4月1日に報じた。Reutersは、事情に詳しい関係者の話として、SpaceXが米国でのIPOに向けて confidential filing を行い、調達額は500億ドル超を目指す可能性があると伝えている。

非公開申請とは何か

今回報じられているのは、通常の上場準備の初期段階で使われる「非公開申請」である。これは、財務内容や事業リスクの詳細を直ちに一般公開せず、まずはSECと水面下で審査を進める方式だ。LinkedIn Newsの要約でも、SpaceXは draft registration を米証券取引委員会へ提出し、フィードバックを受けながら上場準備を進めていると整理されている。

実現すれば史上最大級のIPO候補

今回の報道では、上場が実現すれば過去最大級のIPOになる可能性が高いとみられている。Reutersは500億ドル超の調達可能性に言及し、AP通信は750億ドル規模に達する可能性があると報じている。さらにGuardianやWashington Postは、企業価値が1.5兆〜1.75兆ドル規模に達する可能性があると伝えており、規模感だけでも市場の注目度は極めて高い。

背景にはStarlinkの成長とSpaceXの収益基盤

IPO観測を支えている最大の材料は、衛星通信事業Starlinkの拡大である。Reutersは、Starlinkの契約者数が900万人規模に達し、防衛分野を含む契約も成長を後押ししていると報じた。SpaceXは再利用ロケットの打ち上げ事業に加えて、継続課金型の通信収入を持つことで、従来の宇宙企業よりも安定した収益期待を得やすい構造になっている。

xAIとの統合観測も評価材料

Reutersなどは、SpaceXの高い評価の背景として、イーロン・マスク氏のAI企業xAIとの統合効果にも触れている。報道ベースでは、SpaceXはxAIとの再編を通じて、衛星通信、宇宙インフラ、AI計算基盤を結びつける構想を強めているとされる。ただし、この点は各報道機関が関係者情報をもとに伝えているもので、現時点でSEC提出書類そのものは公開されていない。

上場時期は早ければ6月との見方

上場時期についても、複数報道が「早ければ2026年6月」と伝えている。LinkedIn Newsの要約では、審査が順調に進めば6月末までの上場もあり得るとされ、Guardianも早期の市場デビュー観測に触れている。ただし、これはあくまで報道ベースの見通しであり、正式日程は現時点で公表されていない。

今回の報道が意味するもの

今回の動きが事実であれば、SpaceXは「未上場の宇宙企業」から「公開市場で資金を集める巨大インフラ企業」へ転換する節目に入ったことになる。単なるロケット会社ではなく、打ち上げ、衛星通信、AI、宇宙インフラを束ねる複合企業として評価される可能性が高く、上場の成否は今後のテックIPO全体の地合いにも影響を与えそうだ。もっとも、現段階では公式な目論見書は公開されておらず、調達額、企業価値、日程はいずれも報道ベースである点には注意が必要である。

出典

https://www.cnbc.com/2026/04/01/spacex-confidentially-files-for-ipo-setting-stage-for-record-offering.html