暗号資産(仮想通貨)取引所最大手Binance(バイナンス)の共同創業者であるチャンポン・ジャオ(通称CZ)氏が、フロリダ州マール・ア・ラーゴで開催されたトランプ大統領一族の暗号資産プロジェクト「World Liberty Financial(WLFI)」主催のフォーラムに登壇し、米国市場でのビジネス拡大に強い意欲を示した。Bloombergなどが報じた。

昨年10月に大統領恩赦を受けたCZ氏にとって、今回のイベント出席は恩赦後で最も注目を集める公の場での活動となり、トランプ一族の暗号資産エコシステムにおいて同氏が存在感を高めていることを印象付けた。

1. 「米国でのビジネスをさらに拡大したい」

CZ氏はイベント会場でのインタビューに対し、「我々は米国でより多くのビジネスを展開していきたい」と語り、米国が再びデジタル資産のハブとしての地位を確立しつつある現在の環境をチャンスと捉えていることを明かした。

ただし、CZ氏はすでにグローバル版のBinanceのCEOを退任しており、「私がバイナンスを運営しているわけではない。それはすでに終わった章だ」と明言。今回の事業拡大への意欲は、自身が引き続き大株主を務め、独自の経営陣を持つ米国向け取引所「Binance.US」に関する展望であると強調している。

2. 深まるBinanceとWorld Liberty Financialの結びつき

CZ氏が今回トランプ一族のイベントに招かれた背景には、Binanceと「World Liberty Financial」の強力なパートナーシップがある。

Binanceはこれまで、WLFIが展開する米ドル連動型ステーブルコイン「USD1」の普及をプロモーション等を通じて大々的に後押ししてきた。また、アラブ首長国連邦(UAE)の投資会社MGXがBinanceに対して行った20億ドル(約3,000億円)規模の投資決済において、この「USD1」が使用されたことも報じられている。CZ氏はUSD1に対するBinanceの技術支援について、「ネットワーク上で立ち上がるプロジェクトへのサポートとしてはごく一般的なものだ」と説明している。

3. 規制緩和の追い風と政治的な波紋

現在、米国ではSEC(証券取引委員会)のトップ交代などにより、暗号資産ビジネスに対する規制緩和の機運が急速に高まっている。Binance.USはこの追い風を受け、過去の訴訟等で失った市場シェアの回復を狙うとみられる。

一方で、大統領恩赦を受けた直後のCZ氏がトランプ一族の事業と密接に関わり、巨額の資金が動いていることに対し、米議会の一部(民主党のリチャード・ブルーメンソール上院議員など)からは資金洗浄対策や利益相反の観点から調査を求める声も上がっている。

米国市場への本格的な再起を図るBinanceと、政権中枢と結びつく暗号資産プロジェクトの今後の動向に、市場の関心が集まっている。

出典

https://www.bloomberg.com/news/articles/2026-02-23/binance-s-zhao-touts-us-growth-bid-at-trump-family-crypto-bash