米上院で審議が続く暗号資産市場構造法案「CLARITY Act」を巡り、最大の争点の一つだったステーブルコイン利回り条項について、妥協案が再び前進した可能性が出てきた。Crypto in Americaの4月6日付記事によると、暗号資産業界と銀行業界の関係者が、最新の妥協文言を先週後半に確認し、詳細は明かしていないものの「今回は実行可能な解決策に達したことを期待している」と話したという。

焦点は「残高への報酬」と「預金流出」懸念の折り合い

記事によれば、法案停滞の中核にあるのは、企業が顧客のステーブルコイン保有残高に対してどのような報酬を提供できるのか、そしてそれが銀行預金からの資金流出を招かないかという論点である。Crypto in Americaは、銀行側と暗号資産側の対立が続く中で、この点が法案成立を左右する主要争点になっていると整理している。

最新文言は関係者レビュー段階、詳細はなお非公表

記事では、2人の業界関係者が匿名を条件に取材へ応じ、1人は暗号資産業界、もう1人は銀行業界の立場から、木曜に最新の妥協文言を確認し、銀行側には金曜に説明があったと証言している。ただし、両者とも条文の具体的中身には触れず、詳細は依然として表に出ていない。現時点では、関係者間でレビューが進んでいるものの、公開テキストとして正式に出た段階ではない。

3月末の草案には業界の不満が残っていた

今回の修正案は、3月末にティリス上院議員、オルソブルックス上院議員、ホワイトハウスがまとめた草案に対する不満を受けた流れにある。Crypto in Americaは、その草案に対してCoinbaseやStripeを含む一部の関係者が難色を示していたと報じている。Stripeはコメントを控え、Coinbaseも詳細へのコメントを避けたが、Coinbaseの法務責任者ポール・グレワル氏はテレビ出演で「進展に非常に自信がある」と発言したという。

4月後半に上院銀行委員会のマークアップ観測

法案審議の次の焦点は、上院銀行委員会が4月後半に予定されるとみられるマークアップへ進めるかどうかである。Crypto in Americaは、ティム・スコット委員長が4月後半の最終2週間にマークアップを設定するとの見方が広がっている一方、妥協テキストを事前公開するかは依然不透明だと伝えている。

ホワイトハウスの経済分析レポートもなお未公表

記事では、ホワイトハウス経済諮問委員会が作成したとされる、ステーブルコイン利回りと預金流出・銀行貸出への影響を分析した調査レポートが、まだ公開されていないことも論点として挙げられている。Crypto in Americaによると、この調査は暗号資産側に比較的前向きな経済分析を含むとされるが、なぜ公表が見送られているのかは不明のままだという。

利回り問題が落ち着けば、次はDeFiやトークン分類へ

もしステーブルコイン利回りの争点が後景化すれば、上院銀行委員会のスタッフと議員は、DeFi、トークン化、トークン分類といった残る主要論点の詰めに入る見通しだと記事は伝える。時間が限られる中で、法案全体の最終調整は4月後半にかけて一気に進む可能性がある。

今回の動きが意味するもの

今回の報道が示しているのは、米国の暗号資産立法が「成立するか否か」の段階から、「どの条件なら成立できるか」を巡る最終調整局面に入っているということである。とくにステーブルコイン利回りの扱いは、銀行の預金基盤を守りたい側と、暗号資産の実用性を広げたい側の利害が真正面からぶつかる部分であり、ここで妥協が成立するかがCLARITY Act全体の前進を左右する。現時点では詳細条文が非公開で、期待先行の側面もあるが、4月後半に向けて法案が再び動き出す可能性は高まっている。

出典

https://www.cryptoinamerica.com/p/stakeholders-mum-on-yield-details