米暗号資産取引所大手**Coinbase(コインベース)**は、AIエージェントがブロックチェーン上で自律的に経済活動を行うためのウォレット機能「Agentic Wallet」および、それを実装するためのテンプレート「Based Agent」を公開した。

これにより、開発者はわずか3分未満で「暗号資産ウォレット機能を持つAIボット」を構築できるとし、AIが単なる情報処理だけでなく、実際の取引主体となる未来を提示した。

1. 「チャット」から「アクション」へ

これまで多くのAIボットは情報の分析や会話に特化していたが、CoinbaseはAIに「財布(ウォレット)」を持たせることで、具体的な経済活動を可能にする。

「Agentic Wallet」を搭載したAIエージェントは、Coinbaseのレイヤー2ネットワーク「Base」上で以下の自律的なアクションを実行できる。

  • トークンの取引・スワップ: 自律的な判断による資産運用
  • ステーキング: 資産を預け入れて利回りを得る
  • スマートコントラクトの展開: 独自のトークンやNFTの発行
  • Baseネームの登録: アイデンティティの取得

2. 安全な「MPCウォレット」を採用

AIに資金を扱わせる際、最大の懸念事項はセキュリティだ。Coinbaseはこれに対し、MPC(マルチパーティ計算)ウォレット技術を採用している。

これにより、AIエージェントは秘密鍵を単一の場所に保存することなく安全に署名を行えるため、開発者はセキュリティリスクを抑えつつ、AIに資金管理の権限を委譲することが可能となる。

3. 「Agentic Web3」の到来

CoinbaseのCEO、ブライアン・アームストロング氏は以前より「AIと暗号資産の融合」を重要テーマに掲げている。同氏は「将来、AI同士が自律的に取引を行う経済圏(Agent-to-Agent economy)が生まれる」と予測しており、今回のツールはそのインフラとなるものだ。

従来の金融レール(銀行口座など)を持つことが難しいAIにとって、パーミッションレスなブロックチェーンは最適な決済手段となる。Coinbaseは、この「Agentic Wallets(エージェント型ウォレット)」の普及により、DeFi(分散型金融)の利用者が人間からAIへと拡大する未来を見据えている。

出典

https://www.coinbase.com/developer-platform/discover/launches/agentic-wallets