暗号資産取引所Crypto.com(クリプトドットコム)が、米国でスポーツ予測市場(スポーツイベント契約)におけるマーケットメイクを担うトレーダーの募集を始めた。流動性提供を社内で担う形となる可能性があり、利益相反や規制当局の視線が改めて注目されている。

「スポーツイベント契約」の市場形成を担うトレーダー職 求人で業務範囲を明記

画像引用:Crypt.com

CoinPostによると、Crypto.comはスポーツ予測市場に関するトレーダーを募集しており、職務は「流動性提供(マーケットメイク)」を中心とする。
実際に同社の求人情報では、“Quant Trader (Sports Event Market Making)”として、売買気配の提示による流動性供給、価格・ボラティリティ監視、リスク管理、新規契約上場時の流動性供給などが列挙されている。

取引所側の社内マーケットメイクに「利益相反」指摘 透明性と情報管理が論点に

一方、取引所(または関連会社)が社内でマーケットメイクを行う構造は、ユーザー取引と同一市場内での立ち位置が近くなるため、「顧客と逆側に立つのではないか」といった利益相反の懸念が出やすい。CoinPostはこの点を「議論が浮上」として報じている。
当該領域では、約定品質、スプレッドの妥当性、顧客注文フローなど非公開情報の取り扱い、監査可能なガバナンス設計が、事業者側の説明責任としてより強く問われる構図となる。

規制当局の視線も強まる コネチカット州が停止命令、提携でCFTC登録の枠組みも訴求

規制面では、米コネチカット州当局が、「スポーツイベント契約」を無免許オンライン賭博に当たるとして、複数の予測市場プラットフォームに対し、州内での提供停止や出金対応などを命じたと公表している。
その一方でCrypto.com側は、関連会社CDNA(Crypto.com | Derivatives North America)を通じ、CFTC登録の取引所・清算機関としての枠組みを前面に出した展開も進めている。たとえばUnderdogとの提携発表では、CDNAのスポーツイベント契約をUnderdogアプリ内で提供し、価格がリアルタイムで更新されることなどが説明されている。

参考:Crypto.com Hiring Sports Market Maker to Trade Against Customers