イーロン・マスク氏が、X上の決済サービス「X Money」を来月から早期一般公開すると明らかにした。発端は、マスク氏が3月10日にXへ投稿した「X Money early public access will launch next month」という短い告知である。Forbes JAPANもこの投稿を受け、X Moneyが来月公開される見通しだと報じた。

マスク氏が明かしたのは「来月開始」という時期である

Forbes JAPANの記事では、マスク氏がX Moneyの早期一般アクセスを来月開始すると投稿したことが紹介されている。現時点で示されたのは主に開始時期であり、厳密な提供日程や対象ユーザーの範囲はまだ明らかではない。Reutersも、マスク氏が「来月」に早期一般公開を始めると述べたと報じている。

X MoneyはXの“スーパーアプリ化”の中核機能とみられる

X Moneyは、マスク氏が以前から掲げてきた「everything app(スーパーアプリ)」構想の一部と位置付けられている。Forbes JAPANは、マスク氏がXを中国のWeChatのような多機能アプリへ進化させる構想の一環として、X Moneyを繰り返し予告してきたと説明している。Reutersも同様に、X MoneyをXの機能拡張と新たな収益源づくりの柱と伝えている。

現時点で取り沙汰されている機能は送金と高利回り口座である

Forbes JAPANによれば、X MoneyはX内でのピア・ツー・ピア送金機能に加え、残高に対して6%の利回りを提供する可能性があるとされる。また、同記事では、マスク氏が過去の投稿で「高利回り貯蓄」や投資、ローン、マネーマーケット口座、国債アクセス、株価確認、シームレスな取引、暗号資産統合などの将来像に言及していたと紹介している。ただし、これらは構想段階の要素も含み、来月の早期公開時点でどこまで実装されるかは未確定である。

Visa提携と州ライセンス取得が基盤整備を後押ししている

X Moneyの実装基盤として、XはすでにVisaと提携している。Reutersは、この提携が昨年結ばれたもので、Xの決済機能を支える重要な足場になっていると報じた。Forbes JAPANも、Xの子会社X Paymentsが米国40超の州でライセンスを取得し、口座への資金投入に向けてVisaを提携先としていると伝えている。CBS Newsも、X Moneyは米国内でまず展開され、現時点で40州とワシントンD.C.での運営許認可を得ていると報じている。

暗号資産市場では期待先行の反応も出た

Forbes JAPANによれば、マスク氏が4月ローンチを確認した後、X Moneyの暗号資産統合観測を背景にドージコイン価格は一時8%上昇した。ただし、その後はビットコインや暗号資産市場全体の軟調地合いと歩調を合わせて下落したとされる。現時点では、X Moneyがどの暗号資産をどう組み込むかは公表されておらず、市場の反応には先回りした思惑も含まれている。

なお、サービスの全貌はまだ見えていない

今回の発表で注目を集めた一方、X Moneyにはなお不透明な部分も多い。Reutersは、早期一般公開が始まるとしても、どの程度のユーザーが対象になるかや、機能の詳細はまだ十分に開示されていないと伝えている。また、州ごとの許認可が未取得の地域も残っており、全米一斉展開とは限らない。

今回の発表が意味するもの

今回のマスク氏の投稿は、Xが単なるSNSから、送金や金融サービスを抱え込む「生活インフラ型アプリ」へ変わろうとしていることを改めて示した。もっとも、来月始まるのはあくまで「早期一般公開」であり、完成版の全面展開ではない可能性が高い。X Moneyが本当にWeChat級の金融導線へ育つのか、それとも限定的なP2P決済機能にとどまるのかは、今後の機能開示と利用者の定着次第となりそうである。

参考

https://forbesjapan.com/articles/detail/93629

https://twitter.com/elonmusk/status/2031363107839438939?s=20