暗号資産取引所大手Kraken(クラーケン)の関連会社などがスポンサーを務めるSPAC「KRAKacquisition Corp(クラック・アクイジション)」は30日、当初の計画を上回る規模で新規株式公開(IPO)を完了したと発表した。

同社はオーバーアロットメント(追加売り出し)オプションをフルに行使し、計3,450万ユニットを1ユニット10ドルの価格で販売。総額3億4,500万ドル(約530億円)の資金を調達した。

強力なスポンサー陣と経営体制

本プロジェクトは、Krakenの関連会社に加え、同社への投資実績を持つベンチャーキャピタル「Tribe Capital」、およびSPACアドバイザリーの「Natural Capital」の3社による共同スポンサー体制(NCTK Sponsor LLC)で運営される。

CEOにはNatural Capitalの共同創設者であるラヴィ・タナク(Ravi Tanaku)氏が就任。また、CFOにはKrakenで戦略的取り組みを率いるサヒル・グプタ(Sahil Gupta)氏が名を連ねており、Krakenの業界ネットワークと運営ノウハウを最大限に活用できる体制を整えている。

買収ターゲット:DeFiと伝統金融の「架け橋」

KRAKacquisitionは、特定の買収ターゲットを現時点では選定していないが、デジタル資産エコシステムのコア・インフラを構築する企業に焦点を当てる方針を明確にしている。

具体的には以下の領域を目指すとしている。

  • 決済ネットワークおよびトークン化プラットフォーム
  • ブロックチェーン・インフラおよびカストディ(資産保管)ソリューション
  • コンプライアンスおよび規制対応支援ツール

同社は「分散型金融(DeFi)と伝統的金融(TradFi)の架け橋を築くチームの成長を加速させること」をミッションに掲げている。

市場の背景とKrakenの戦略

KRAKacquisitionのユニット(証券コード:KRAQU)は、1月28日からナスダック・グローバル・マーケットで取引が開始された。今後、普通株(KRAQ)とワラント(KRAQW)に分割されて取引される予定だ。

特筆すべきは、Kraken自身も昨年11月にSEC(米証券取引委員会)へIPOに向けた登録届出書を機密扱いで提出している点だ。自社の直接上場を進める一方で、今回のSPACを通じてWeb3インフラ企業を公的市場へ導くという「二段構え」の戦略により、暗号資産エコシステム全体のレジティマシー(正当性)向上と、自社プラットフォームの機能強化を同時に狙うものと見られる。

米トランプ政権下での規制環境の変化や、ビットコイン準備資産構想など、暗号資産に対する期待感の高まりを背景に、KRAKacquisitionがどのような「一社」を選び出すのか、市場の注目が集まっている。

出典

https://www.globenewswire.com/news-release/2026/01/30/3229449/0/en/KRAKacquisition-Corp-Announces-Closing-of-Upsized-345-Million-Initial-Public-Offering-and-Full-Exercise-of-Over-Allotment-Option.html