明治は4月7日、AIが発案した新商品「きたきたのこのこの山里」を4月14日から全国のコンビニエンスストアと駅売店で発売すると発表した。商品は「きのこの山」と「たけのこの里」を掛け合わせた合体型のチョコスナックで、価格はオープンプライスとしている。

発端は“どっち派”論争をAIで可視化したことにある

今回の商品企画の背景には、「きのこの山」発売50周年を記念して2025年8月に公開されたAI「KINOTAKE MOTHER」がある。明治によると、このAIは顔写真から潜在的な嗜好を客観的に判定する仕組みで、2026年3月時点で約50万人を判定した結果、“きのこ派”が約52%、“たけのこ派”が約43%、“どっちも派”が約4%だった。明治は、この“どっちも派”の存在を受けて「どっちも楽しめる商品があったらどうか」という発想に至り、AIとの対話を重ねて本商品の開発につなげたとしている。

商品はクラッカーとクッキーを組み合わせたバー型スナック

明治の説明によれば、「きたきたのこのこの山里」はひとくちサイズのチョコスナックで、「きのこの山」の“カリッ”としたクラッカーと、「たけのこの里」の“サクッ”としたクッキーを砕いたものに、ミルク風味のチョコレートと小麦パフを加えてバー状に成型している。さらに、仕上げにビターチョコレートでコーティングしており、ザクザクした食感と、ミルク風味・ビターの2種類のチョコの味わいを楽しめるという。

パッケージにもAI要素を取り入れた

パッケージデザインについても、明治は「AIが考案した“未来のきのこの山とたけのこの里の世界”」を反映したとしている。つまり今回の商品は、AIをマーケティングの話題づくりに使っただけではなく、企画背景、ネーミング文脈、パッケージ表現まで含めて“AI発案商品”として打ち出している。

長年のブランド対立を“共存”へ転換する企画

「きのこの山」と「たけのこの里」は、長年にわたり“どっち派”論争を繰り広げてきた定番ブランドである。明治は今回、その対立構造をそのまま煽るのではなく、AI判定を通じて可視化された“どっちも派”に着目し、両ブランドを融合した商品に落とし込んだ。ブランド対立を新商品の物語へ転換した施策といえる。これは発表内容に基づく整理である。

今回の発表が意味するもの

今回の新商品は、AIを“実用機能”として使うだけでなく、ブランド体験や商品ストーリーの核に据えた事例として注目される。明治は、約50万人分の判定結果をもとに“少数派だが確かに存在する需要”を物語化し、実際の商品開発へ結びつけた。菓子業界におけるAI活用としても、単なる話題先行ではなく、ブランド企画にまで踏み込んだ取り組みとして位置付けられそうだ。

出典・アイキャッチ引用

https://www.meiji.co.jp/corporate/pressrelease/2026/04_04/index.html