Rippleは4月30日、アラブ首長国連邦(UAE)での事業拠点を拡張し、ドバイ国際金融センター(DIFC)内に新たな中東・アフリカ(MEA)地域本部を開設したと発表した。ブロックチェーンを活用した企業向け金融ソリューションへの需要が中東・アフリカ地域で拡大する中、現地チームを倍増できる規模の拠点を整えた形である。

新拠点はDIFC内、現地チームの拡大を見据える

Rippleは2020年にドバイでMEA地域本部を設置して以降、中東での事業を拡大してきた。今回新たに開設したDIFC内のオフィスは、地域チームの規模を倍増させる余地を持つ拠点であり、中東・アフリカの顧客やパートナーへの支援体制を強化する狙いがある。Rippleは既存顧客としてZand Bank、Ctrl Alt、Garanti BBVA、Absa Bank、Chipper Cashなどの名前を挙げている。

中東はRippleのグローバル成長を支える重要市場に

Rippleによれば、中東は同社の世界的な顧客基盤の中でも重要な割合を占める地域になっている。中東・アフリカ担当マネージングディレクターのReece Merrick氏は、近年の中東がRippleのグローバル成長を支える重要なドライバーになっているとし、ドバイの新地域本部は同地域への継続的なコミットメントを示すものだとコメントした。

規制対応済みの決済・カストディ需要が拡大

今回の発表でRippleが強調しているのは、規制に準拠したブロックチェーン決済・カストディソリューションへの需要である。発表文では、従来金融とデジタル金融の双方にまたがる企業向けソリューションを提供していると説明しており、現地企業の間で、ブロックチェーンを活用した決済インフラへの関心が高まっているとしている。

DFSAライセンスとRLUSD承認が追い風に

Rippleの中東での拡大を支えているのが、DIFCを管轄するドバイ金融サービス機構(DFSA)関連の規制上の進展である。Rippleは2025年3月、DFSAから完全なライセンスを得た初のブロックチェーン決済プロバイダーになり、DIFC内から規制下のクロスボーダー・デジタル決済サービスを提供できるようになった。さらに直近では、同社の米ドル連動ステーブルコイン「RLUSD」がDFSAにより認定暗号トークンとして承認され、DIFC内の規制対象企業が利用できるようになった。

DIFC側もデジタル資産企業の信頼を強調

DIFC AuthorityのCEOであるArif Amiri氏は、RippleのDIFC内での拡張について、世界的なデジタル資産企業がドバイをブロックチェーン技術のグローバルハブとして信頼していることを示す強いシグナルだと述べた。DIFC側は、Rippleを「野心と説明責任を両立して運営するデジタル資産企業」の例として位置付け、今後の関係深化にも期待を示している。

今回の発表が意味するもの

今回の拠点拡張は、Rippleが中東・アフリカ市場を単なる営業地域ではなく、規制対応型のブロックチェーン金融インフラを展開する中核拠点として位置付けていることを示している。特に、DFSAライセンス、RLUSDの認定、DIFC内での拠点拡張が連続している点から、Rippleはドバイを軸に、銀行、フィンテック、決済事業者向けのクロスボーダー決済・カストディ事業をさらに広げる構えだ。今後の焦点は、拡張した現地体制を通じて、RLUSDやRipple Paymentsの実利用が中東・アフリカ地域でどこまで広がるかに移るだろう。

出典

https://ripple.com/ripple-press/ripple-reinforces-commitment-to-the-middle-east-with-expanded-presence-in-the-uae