SBIホールディングスとStartale Group(スターテイル・グループ)は27日、共同開発を進めていた日本円連動型ステーブルコインの正式名称を「JPYSC」に決定したと発表した。

「JPYSC」は、改正資金決済法における「第3号電子決済手段(信託型)」として、SBIグループのSBI新生信託銀行が発行を担う。2026年度第1四半期(4月〜6月)の正式ローンチを目指しており、日本のWeb3金融インフラにおける大きな転換点として注目を集めている。

1. 「100万円の壁」を突破する信託型スキーム

国内で発行されるステーブルコインには主に「銀行預金型」「資金移動型」「信託型」の3種類が存在するが、JPYSCが採用した「信託型(第3号電子決済手段)」には、他の形式にはない決定的な強みがある。

それは、資金移動業者が発行するタイプ(第2号)に課される「1回あたり100万円」の送金上限規制の対象外となる点だ。

これにより、JPYSCは個人間の少額決済だけでなく、企業間の大口決済や不動産・証券などのRWA(現実資産)トークンの取引決済など、機関投資家レベルの多額の資金移動にも対応可能となる。また、裏付け資産は全額が信託銀行で保全されるため、発行者が破綻した場合でもユーザーの資産が守られる高い安全性を有している。

2. SBIがStartaleに資本参加、渡辺創太氏もグループ入り

今回の発表に合わせて、両社の戦略的提携の強化も明らかにされた。 SBIホールディングスはStartale Groupに対して約20%の出資を行う予定であり、StartaleのCEOである渡辺創太氏がSBIホールディングスの社外取締役に就任する人事案も発表された。

さらに、JPYSCの普及促進を目的としたジョイントベンチャー(合弁会社)も設立される計画であり、「伝統的金融(TradFi)」の巨人であるSBIと、「Web3」の最前線を走るStartaleがガッチリとタッグを組むことで、グローバル市場での覇権を狙う。

3. AstarやSoneium経済圏との連携に期待

JPYSCは、イーサリアムなどのパブリックブロックチェーン上での発行・流通を前提に設計されている。 具体的な対応チェーンについては今後順次発表される見通しだが、Startaleが開発を主導する「Astar Network」や、ソニーグループとの共同プロジェクトである「Soneium(ソニューム)」経済圏における基軸通貨としての活用が確実視されている。

SBIの北尾吉孝会長は同日開催されたカンファレンスで、「圧倒的なスピード感を持って世界と戦う」と語っており、JPYSCが日本発のステーブルコインとしてUSDCなどの米ドル覇権にどう切り込んでいくか、今後の動向から目が離せない。

出典

https://startale.com/ja/blog/jpysc