ロイター通信によると、米国務省は2日、省内におけるAIツールの利用ガイドラインを改定し、Anthropic(アンソロピック)社が提供するAIモデル「Claude」および関連製品の使用を停止する方針を固めたことが分かった。

同時に、業務で使用する生成AIツールをOpenAI社の「ChatGPT Enterprise」等の製品群に一本化するよう職員に通達したとされ、政府機関におけるAIプラットフォームの選定競争に大きな動きがあった。

1. 安全保障上の理由か、詳細な背景は不明

報道によると、国務省は今回の決定の理由について公式な声明を出していないものの、内部メモでは「セキュリティおよびデータ管理プロトコルの統一」が挙げられているという。

Anthropicは「Constitutional AI(憲法AI)」を掲げ、安全性と倫理面を重視するスタンスで知られているが、今回の決定が技術的なセキュリティ上の欠陥によるものなのか、あるいは政府システムとの統合における互換性の問題なのかは現時点で明らかになっていない。

2. OpenAIが政府・公共部門でのシェアを独占へ

今回の決定により、米国務省および関連機関の数万人の職員が、日々の業務分析、翻訳、文書作成などのタスクをOpenAIのプラットフォームへ移行することになる。

OpenAIは近年、マイクロソフトとの提携を通じて政府向けクラウド「Azure Government」上でのサービス展開を強化しており、高い機密性が求められる公的機関への導入実績を着実に積み上げてきた。今回の国務省の決定は、他の連邦機関のAI選定にも波及する可能性が高く、OpenAIによる「官公庁シェア独占」の流れを決定づけるものとなりそうだ。

3. Anthropicには痛手、民間との乖離が進む可能性も

一方で、先日デスクトップ操作機能「Claude Cowork」の強化を発表したばかりのAnthropicにとっては、信頼性の象徴でもある政府契約を失うことは大きな痛手となる。

民間企業や開発者の間では、コーディング能力や長文脈理解(コンテキストウィンドウ)の広さでClaudeを支持する声も根強いが、今回の政府決定により、「官公庁はOpenAI、民間・開発者はAnthropicやGoogle」という棲み分け、あるいは乖離がさらに進む可能性も指摘されている。

出典

https://www.reuters.com/business/us-treasury-ending-all-use-anthropic-products-says-bessent-2026-03-02