クレディセゾンとコインチェックは、暗号資産領域における業務提携契約を締結した。両社は、国内暗号資産市場の拡大と新サービス創出を目的に協業を進める方針であり、セゾンカード会員に暗号資産や新たな金融サービスへのアクセス機会を広げる取り組みだとしている。発表は4月20日付で、クレディセゾン側、コインチェック側の双方から公表された。

提携の主眼は「暗号資産を日常金融へ近づけること」にある

両社は今回の提携について、暗号資産が株式投資やクレジットカード利用と比べて、価格変動リスクや使い方、安全管理の複雑さから、まだ利用者の広がりが限定的だという認識を示している。そのうえで、クレディセゾンの決済・会員基盤と、コインチェックの暗号資産サービス基盤やノウハウを組み合わせることで、暗号資産をより身近で使いやすい仕組みとして提供していく考えである。

セゾンカード会員約3300万人が大きな起点になる

今回の提携で注目されるのは、クレディセゾンが持つ約3300万人の顧客基盤である。発表では、この会員基盤を起点に、暗号資産および新たな金融サービスへの接点を広げるとしている。コインチェックにとっては、国内でも有力なペイメント会員層にリーチする導線が加わることになり、暗号資産サービスの裾野拡大につながる可能性がある。

検討対象は暗号資産だけでなく、ポイントや決済分野にも広がる

今回の協業は、単にCoincheck口座へ送客するだけの提携ではない。Watch Impressによると、両社は特定の一サービスに限らず、暗号資産関連事業およびFinTech領域で協業を進める方針である。さらに、Plus Web3やFintech Observerは、ポイントプログラム統合や決済サービス連携も視野に入ると伝えており、日常のカード利用と暗号資産サービスを近づける設計が今後の焦点になりそうである。もっとも、現時点で具体的な新サービスの詳細はまだ公表されていない。

コインチェック側にとっては「マス層接点」の強化となる

コインチェックは、国内暗号資産取引サービスとしてアクティブユーザー数とアプリダウンロード数で国内No.1をうたっている。今回の提携により、暗号資産に比較的距離のある一般的なカード会員層へ接点を広げることができる。これは、既存の暗号資産ユーザー向けサービス拡充というより、まだ暗号資産未経験の生活者をどう取り込むかという文脈で意味が大きい。

クレディセゾン側にとっては新しい金融接点の拡張である

一方のクレディセゾンにとっては、既存のカード・決済事業に加えて、暗号資産という新たな金融接点を会員向けに持つ意味がある。決済大手が暗号資産事業者と手を組む動きは、従来の「投資商品」としての暗号資産から、「日常金融の延長」に組み込む方向への転換としても読める。今回の発表文でも、単なるキャンペーンではなく、国内暗号資産市場のさらなる拡大と新サービス創出を掲げている点が特徴である。

今回の提携が意味するもの

今回の提携は、国内暗号資産業界が交換所の中だけで完結する段階から、クレジットカード会社の会員基盤や日常決済の文脈へ入り込む段階へ進み始めたことを示している。特に、3300万人規模のセゾン会員基盤とCoincheckの暗号資産基盤が結び付くことで、今後は「暗号資産をどう買うか」よりも、「日常金融の中でどう自然に接するか」が重要テーマになりそうである。現時点では個別サービスの詳細は未公表だが、ポイント、決済、口座導線のどこから具体化するかが次の注目点になる。

出典

https://corporate.coincheck.com/press/rNshUNrL