詐欺対策としての待機時間

ブラジルでは、暗号資産詐欺の被害拡大を受け、取引所から自己管理ウォレットへの送金に24時間の待機時間を設ける案が報じられている。銀行送金で使われる不正送金対策を、暗号資産にも適用する発想だ。

この仕組みは、ロマンス詐欺や偽投資アプリのように、被害者が自ら送金してしまうケースで一定の防波堤になる。異常な送金を検知し、利用者に確認時間を与えられる。

セルフカストディとの摩擦

一方で、自己管理ウォレットは暗号資産の重要な特徴であり、取引所外へ自由に資産を移せること自体が価値とされてきた。待機時間は詐欺対策として合理性があるが、迅速な担保移動やDeFi利用には制約になる。

各国規制当局は、利用者保護とセルフカストディの自由をどう両立するかを迫られている。日本でも、出金モニタリング、トラベルルール、詐欺対策の設計は取引所の競争力に直結する。

小宮滉

この記事の著者
小宮滉

コインチェック株式会社を経て、現在はGUILD株式会社および一般社団法人Web3人材マネジメント協会の代表理事を務める。

Web3・仮想通貨分野では、「NGG(NinjaGuild_Japan)」というコミュニティの運営や、「IVS Crypto THE DEMODAY」MetaMeトラックでの優勝など、多くの実績を有する。
また、Web3・ブロックチェーン領域の開発を中心に活動しており、LINEおよびKakaoが支援するパブリックブロックチェーン「Kaia」のアンバサダーとしても活躍。LINEヤフー株式会社のグループ会社であるLINE NEXTとエージェンシー契約を締結し、LINE Mini Dappの導入支援を行っている。