見えにくい攻撃の問題

量子計算による暗号資産攻撃への警戒が再び高まっている。重要なのは、仮に量子攻撃が起きても、オンチェーン上では通常の秘密鍵流出と同じように見える可能性がある点だ。資金が正しい署名で移動すれば、ブロックチェーンはそれを有効な取引として処理する。

特に、公開鍵が長期間露出しているアドレスや、古いウォレット運用は将来的なリスク評価が必要になる。今日すぐに量子攻撃が主流化するという話ではなく、長期保管の設計問題として扱うべきテーマだ。

保管実務への影響

大口保管では、単一署名、長期未移動アドレス、更新されていないウォレット、手順書の不備がリスクになる。複数署名、定期的な移行訓練、アドレス再利用の回避、署名方式のアップデート確認が基本になる。

暗号資産保管は、現在の攻撃だけでなく将来の暗号技術の変化にも備える必要がある。カストディ事業者やファンドは、量子耐性を含むロードマップを投資家に説明できる体制が求められる。

小宮滉

この記事の著者
小宮滉

コインチェック株式会社を経て、現在はGUILD株式会社および一般社団法人Web3人材マネジメント協会の代表理事を務める。

Web3・仮想通貨分野では、「NGG(NinjaGuild_Japan)」というコミュニティの運営や、「IVS Crypto THE DEMODAY」MetaMeトラックでの優勝など、多くの実績を有する。
また、Web3・ブロックチェーン領域の開発を中心に活動しており、LINEおよびKakaoが支援するパブリックブロックチェーン「Kaia」のアンバサダーとしても活躍。LINEヤフー株式会社のグループ会社であるLINE NEXTとエージェンシー契約を締結し、LINE Mini Dappの導入支援を行っている。